骨は7−10年、筋肉は半年以内で生まれ変われる

「四十路過ぎた女性が筋肉をつけるべき理由:筋肉は生涯あなたを守り続けます」という、センセーショナルなタイトルの記事を以前ご紹介しました。本記事はその続編となります。

骨と筋肉の半減期の比較

生体組織の更新速度を示す指標として「半減期」があります。骨と筋肉では、この半減期に大きな違いがあります。

骨の半減期

  • 骨のコラーゲンの半減期:約7年

  • 骨全体の完全な入れ替わり:10年以上

筋肉の半減期

筋肉の半減期は測定方法、筋肉の種類、個人差によって異なります:

  • 20日

  • 45日

  • 180日

これらの報告から、筋肉の半減期は概ね半年以内と考えられます。

骨と筋肉の再生速度の違い

  1. 時間スケール: 骨の半減期は年単位、筋肉は日や月単位です。

  2. 適応性: 筋肉は環境変化や運動刺激に素早く適応できます。

  3. 再構築の速度: 筋肉は比較的短期間で再構築が可能です。

つまり、50歳で骨を鍛えた成果は7-10年後に現れますが、筋肉は鍛えればすぐに反応します。この関係性は細胞レベルで証明されています。

年齢に関係なく筋トレの効果あり

私がクライアント様によく申し上げるのは、「歳だからもう無理」という考えが理論上成り立たないということです。筋肉は年齢に関係なく、鍛えれば鍛えるほど速やかに応えてくれるのです。

この理論は実際の臨床現場でも裏付けられています。例えば、当院の体操教室に1ヵ月おきに通われている方々は、見た目の変化が明らかに現れていることが多く見受けられます。このような変化は、空白の1ヵ月の間にしっかりとセルフトレーニングに励まれたという証拠です。その結果、皆さんの自信に確実に繋がり、さらなる健康的な生活の実現を支えることになるでしょう。

ただし、年齢とともに体内でのタンパク質合成能力は低下します。そのため、高齢者ではより多くのタンパク質摂取が必要となります。適切な栄養摂取と運動は、特に筋肉量の維持に重要な役割を果たします。

結論として、年齢に関わらず筋トレの効果は期待できます。適切な栄養と運動を組み合わせることで、健康的な身体づくりを目指しましょう。

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