四十路過ぎた女性が筋肉をつけるべき理由:筋肉は生涯あなたを守り続けます

相対的な筋肉量と減少率には、性差が見られる。高齢男性は男性ホルモンの低下に伴い急激な筋肉量減少が見られるのに対し、女性は四十路以降も比較的緩やかな減少となる。

これは、筋肉量維持に関して、男性は性ホルモン単体に依存すのに対し、女性は複数の要因で筋肉量を維持する機能が備わる違いである。

40代以上の女性にとって、筋肉量は美容のためだけでなく、健康を守るために不可欠な要素です。本記事では、日本人女性に多い「体重にとらわれた無理なダイエット」に潜むリスクを、最新の研究を交えながら解説します。インスリン抵抗性や筋肉不足が招く健康問題を予防するためには、体重管理だけでなく、筋肉量を増やすことが重要であることを強調しています。

“女性であること自体が大きなパワーの源である”と書いてあります。

研究でわかった! 筋肉量維持の重要性:肥満女性のインスリン抵抗性改善に骨格筋が重要

肥満が引き起こす健康問題

肥満は多くの健康リスクを伴いますが、特に「筋肉量が少ない痩せ型(サルコペニア)」と「単純な肥満」を比較すると、筋肉量が少ない場合の方が健康リスクが高いことがわかっています。特に、筋肉の少なさと肥満が重なる「サルコペニア肥満」は、最も注意が必要な病態です。

  • 糖尿病: インスリン抵抗性が高まり、血糖値が上昇しやすくなります。

  • 高血圧: 血管に負担がかかり、血圧が上昇しやすくなります。

  • 脂質異常症: 血液中のコレステロールや中性脂肪が増加し、動脈硬化のリスクが高まります。

  • 心筋梗塞・脳卒中: 動脈硬化が進行することで、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まります。

  • 脂肪肝: 肝臓に脂肪が蓄積し、肝機能障害を引き起こす可能性があります。

  • 睡眠時無呼吸症候群: 気道が狭くなり、睡眠中に呼吸が止まることがあります。

  • がん: 一部のがんのリスクが高くなることが報告されています。

  • 変形性関節症: 関節に負担がかかり、変形性関節症のリスクが高まります。

研究結果:骨格筋の維持がインスリン抵抗性の改善に貢献

私が大学院時代に行った研究がニュースで取り上げられました。この研究は、肥満の女性患者92名を対象に、食事療法、運動療法、認知行動療法を組み合わせた介入プログラムを実施したものです。その結果、体重が減少した患者のうち、骨格筋量が維持されたグループではインスリン抵抗性の改善が顕著に見られました。(CareNet医療ニュース 2016年5月13日付)

インスリン抵抗性とは、体内でインスリンが効きにくくなり、血糖値が下がりにくくなる状態のことで、2型糖尿病や高血圧など生活習慣病のリスク要因とされています。

この結果から、健康的な体作りには「体重を減らすだけでなく筋肉量を維持すること」が不可欠であることが示されています。

体重よりも「筋肉」

肥満体型の方にとっても、単に体重を減らすのではなく、筋肉量を増やすことが重要です。筋肉量が多いことで、基礎代謝が上がり、太りにくい体質が形成されます。また、筋肉量を増やすことでインスリン抵抗性が改善され、糖尿病などの生活習慣病のリスクも減少します。筋肉の量が少ない肥満の方の健康リスクはさらに高まります。

まとめ

30代を過ぎた女性にとって、筋肉量を増やし維持することは、美容や見た目だけでなく、健康そのものを守るために欠かせません。筋肉だけが長期にわたって体を守り続けてくれる存在です。無理なダイエットにとらわれず、健康的に筋肉を育むことを目指しましょう。

主なポイントは以下の通りです:

  1. 単に体重を減らすだけでなく、筋肉量を維持することが健康にとって重要であること。

  2. 肥満だけでなく、筋肉量が少ない「サルコペニア」や「サルコペニア肥満」も健康リスクが高いこと。

  3. 肥満女性を対象とした研究で、体重減少時に骨格筋量を維持したグループではインスリン抵抗性の改善が顕著だったこと。

  4. 筋肉量を増やすことで基礎代謝が上がり、太りにくい体質になることや、インスリン抵抗性が改善されること。

  5. 30代以降の女性にとって、筋肉量の維持・増加が美容だけでなく健康を守るために重要であること。


引用元:

ニュースURL

肥満女性のインスリン抵抗性改善に骨格筋が重要

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