筋肉に優しさを

これまで、さまざまな試練に耐えてきたのは筋肉でした。私たちは本来「動物」ですので、文字通り「動くこと」が快適な生き物です。容姿こそ変化が見られますが、体を構成する臓器自体は原始時代とさほど変わりありません。こんなにテクノロジーが発展しても、いまだに「食物を食べる」という方法でしか栄養を取り入れる手段はありませんし、息を吸わなければ生命の危機が訪れます。AIが発展しても、心臓の鼓動はコンピュータ制御できません。

生活様式の変化はめまぐるしいですが、私たちの体は原始時代と同じとお考えください。すると、ここ20〜30年で急に現れ主役となった「デスクワーク」という名の、体を「不動」にする修行は、筋肉や関節を固めます。固められた筋肉や関節の位置に、その走行場所を指定される靱帯や神経、血管もまた縮められるのです。

「スマホ」は、また違った形でのウェポン(Weapon:武器や試練)です。美しいS字を描く頚椎の生理的湾曲は無視され続け、スマホにご主人様の意識はすべて奪われます。

毎日固められ、短くなり、形さえも変えられてきた筋骨格系システムは、健康診断の結果によって次の負担を強いられます。

内科医が運動しなさいと言えば、急に引き伸ばされたり、重りによる負担を何度も与えられたりします。歪んだ形は一撃で正そうとされることもあります。次の検診結果が良くなれば、この試練は突如なくなり、またいつかやって来る恐怖心に負けず、ご主人様を健気に支え続けます。

ご主人の機嫌や考え次第で、その立場をコロコロ変えられてきた筋骨格系システム。中には、40〜50年間、放置されてきた筋骨たちもあるでしょう。

一度、筋肉側の気持ちになってお考えいただけたら幸いです。EKOフィジカルを通して、筋骨格系へ優しさを届けましょう。

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