動脈硬化を予防するための検査ガイド:頸動脈&腹部エコーと血液検査のポイント

以下に、動脈硬化の進行状況を評価するための具体的な方法を紹介します。健康診断の際にぜひお試しください。

1.頸動脈エコーによる動脈硬化の評価

頸動脈エコーでは、動脈硬化の進行状況をエコーでチェックできます。頸動脈エコーは、首にある頸動脈の壁の厚さやプラーク(血管内の異常な脂質の塊)を超音波で確認する検査です。この検査は、動脈硬化の進行状況が早期に発見でき、心筋梗塞や脳梗塞のリスク評価にもつながります。頸動脈エコーは痛みがなく、簡単に受けられるため、定期的に行うとよいでしょう。

2.血液検査で中性脂肪とLDLコレステロールを確認する

中性脂肪とLDLコレステロールの関係

動脈硬化を予防するには、血液中の中性脂肪やLDLコレステロールの値を把握しておくことが重要です。中性脂肪は体内の余分なエネルギーを脂肪として蓄えるために必要ですが、過剰になると血管の健康を損ねる可能性があります。LDLコレステロールは「悪玉コレステロール」とも呼ばれ、動脈の壁に蓄積しやすく、動脈硬化を促進させやすい性質を持っています。

健康診断で数値を定期的に確認

定期的な血液検査で、これらの数値が適切な範囲内に収まっているかどうかを確認することで、動脈硬化リスクの軽減につながります。中性脂肪やLDLコレステロール値が基準値を超えている場合は、食事や運動など生活習慣の見直しが必要です。

3.脂肪肝の有無をチェック

肝臓に過剰な脂肪が蓄積すると脂肪肝と呼ばれ、これが動脈硬化のリスク要因のひとつです。脂肪肝は、肝臓に過剰な脂肪が蓄積した状態を指します。脂肪肝があると、肝臓が正常に働かず、脂質代謝が乱れやすくなります。脂肪肝は超音波検査で確認でき、早期発見が生活習慣の改善に役立ちます。

4.検査結果を基にした健康管理の重要性

これらの検査を通じて自身の健康状態を把握し、適切な予防策を早期に開始することは非常に重要です。健康診断で得られた数値を基に自身の健康状態を正確に理解することが、動脈硬化の予防につながります。検査結果をもとに生活習慣を見直し、必要に応じて医師のアドバイスを受けることは、将来の健康を守るための重要なステップとなります。

5.若年期からの予防が鍵:最新研究が示す動脈硬化リスク管理の重要性

最新の日本人を対象に行われた大規模な追跡調査(JPHC研究)では、これらのリスク因子の管理が循環器疾患の発症リスク低減に重要であることが示されています。研究結果によると、45歳時点でリスク因子が少ないほど生涯リスクが低下することが明らかになりました。

例えば、主要リスク因子(高血圧、脂質異常、喫煙、糖尿病)が2つ以上ある場合と比較して、リスク因子が少ない場合は循環器疾患発症の生涯リスクが大幅に低下します。具体的な低減率は個人の状況によって異なりますが、リスク因子の適切な管理により、循環器疾患の発症リスクを有意に低減できる可能性が示唆されています。

引用元:

https://tokuteikenshin-hokensidou.jp/news/2024/013275.php

まとめ:動脈硬化予防は今日から始める健康への投資

以下の重要なポイントを覚えておきましょう:

  1. 定期的な健康診断を受け、頸動脈エコー、腹部エコー、血液検査で自身の健康状態を把握する。当院へ結果をお持ちいただけたら、丁寧に解説いたします。

  2. 中性脂肪、LDLコレステロール、脂肪肝などの指標に注意を払い、異常値が見られた場合は早期に対策を講じましょう。

  3. バランスの取れた食事、定期的な運動、禁煙、適度な飲酒など、健康的な生活習慣を心がけましょう。

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